先日、日本のプロバスケットの「Bリーグ」が開幕しましたね。
僕は小学校時代にミニバスを始まり、大学1年までバスケ部に、社会人になっても30代前半までは市内リーグの試合に出たりと、競技を続けてました。
遠目から打つ「3ポイントシュート」が得意なのですが、年に数回、どんなシュートを打ってもことごとく「入ってしまう」状態になる試合を経験したことがあります。
Bリーグの試合を観ていても「この人、今日はゾーンに入っているな」と感じるのです。
「ゾーン」というのはスポーツ用語(?)で上記のように「何をやっても上手くいく状態」のことを言い、「ゾーンに入る」といった風に使います。
バスケット以外でも、野球で「5打数5安打」のバッターや「ノーヒットノーラン」のピッチャー、サッカーではどんなにシュートを打たれても弾くキーパー、など。
昔、当時日本代表のキーパー川口選手がPKを何発もセーブし、勝利を呼び込んだ試合を観た人も多いと思います。
今回は自分の経験からこの「ゾーン」に入るための条件について考えていきたいと思います。
もちろん日々の練習において技術を磨くのは大前提です。
技術が伴わなければ、シュートが入ることも、相手を圧倒する結果を出すようなパフォーマンスは発揮できません。
では、それ以外の条件とは何でしょうか?
試合当日、心と身体を極限まで神経を高ぶらせて、研ぎ澄ます。
イチロー選手や五郎丸選手などで知られるようになった「ルーティン」もその手段の一つだと思います。
試合に臨むために心を整え、集中力を高めることは良い結果をもたらすための必須条件だと思います。
ちなみに僕の場合は、バスケットシューズを「左から履き、左から結ぶ」こと。
未だにランニングをする時も無意識にこれをやっています。
ホームゲームで勝率が高いのはなぜでしょうか?
日頃練習や試合で慣れ親しんだコートでやれることのアドバンテージはあります。
でも、やはり応援の力が強いのではないでしょうか。
一生懸命応援してしれる人の前でカッコ良い姿を見せたい、活躍したいという気持ちが自ずと気持ちが高ぶります。
そういったように自分に対する自信が起きやすい場所で、特に最初のシュートがイメージ通り決められたときには自分を騙すかのように「今日は調子が良いな」という思いがその日の右肩上がりの好調を生みだす確率が高いように思います。
自分が調子が良いことが相手にもわかると自ずと自分へのプレッシャーも厳しくなります。
その時に味方を使ったアシストをしたり、周りを使えるかどうか、これも大事です。
自分だけシュートが入っても、それがチームの勝利と直結するとは限らないのが団体競技の難しいところ。
調子が良いからといって自分よがりなプレーをしても試合に勝たないと意味がありません。
ゾーンに入った人なら「ボールが止まって見える」ように周りもよく見えてきます。
精神的に他のプレーヤーの上に立つことで、他人の動きが読めるようになるものです。
もしくは、自分の好調を見ている仲間が乗ってくる場合もあるでしょう。
自分だけではなくチームも好調になることがベストな状態であり、一人がゾーンに入ったとしても試合後にその話題を気持ちよく話せるためには勝利に導くようなプレイ、活躍であってこそだと思います。
これは余談であり主観ですが、僕はフルマラソンや練習の時、大体15キロから25キロぐらいの間は走っていてとても気持ちよく、いわゆる「ランナーズハイ」の状態になることがあります。
けれどもこれはゾーンではないと思います。無心で走れるのは集中している証しなのですが、プレッシャーを乗り越えてとか、自分でも相手にも手がつけられないレベルではないからです。もっと言えば隣りで走っている人にも好調が伝染することも基本的には、ありえません。
ここまでスポーツを例に取ってみましたが、僕は社会人になり、仕事に置き換えても同じような感覚になる日が時々あります。
今日は何をやっても上手くいくという日が・・・極まれにではありますが。
それは個人レベルのタスクというより、上司や部下、外部の協力者、あるいはお客様との間のやり取りで上手くいくことが連発するときに感じることです。
それはもしかしたら、バスケのポジションが「ポイントガード」というゲームメーカー、コントロールする立場であった者の意見であるからかもしれません。
そして会社でも中間管理職でマネジメントに携っているから重視しているのが影響しているのだと思います。
前職でお世話になった先輩からこう言われたことがある。
「自分が頑張れば済む問題より、相手がいたり周りを動かすことの方がより難しい。」
このことからも、団体スポーツやビジネスにおいて自分だけの結果ではなく、相手との関係においてチームへの貢献、勝利をもたらしさときの喜びがより快感であり「ゾーン」の本質ではないでしょうか。