http://www.sej.co.jp/products/trivia/trivia_16.html
皆さんが住んでいる地域や、旅行先で『やけに同じコンビニが多いな』と思った経験はないでしょうか?
例えば、池袋東口にはファミリ-マ-トが多いのがわかる。
僕の住んでいる近所と最寄り駅の間にも、やたらとファミマが多いです。
こういった店舗展開はコンビニに顕著で、『ドミナント戦略』と呼ばれます。
ドミナント(dominant)は、「支配的な」「優勢な」「優位に立つ」という意味を持つ言葉です。小売業がチェーン展開をする場合に、地域を特定し、その特定地域内に集中した店舗展開を行うことで経営効率を高める一方で、地域内でのシェアを拡大し、他小売業の優位に立つことを狙う戦略をドミナント戦略といいます。ここで、集中して多店舗展開を行う対象となる地域をドミナントエリアと呼びます。
出典:http://www.jmrlsi.co.jp/knowledge/yougo/my04/
コンビニ業界最大手のセブンイレブンはこのドミナント戦略を徹底していると言われています。
出典:http://d.hatena.ne.jp/EulerDijkstra/20131114/1384397824
赤がセブンイレブン。
(青:ローソン、緑:ファミリーマート、オレンジ:サークルK、紫:その他)
瀬戸内海の地方都市に集中しているのがわかる。
このドミナント戦略のメリットとして、よく言われるのは3つ。
1つ目は「配送の効率性」
夜間など定期的に、商品の補充のためにトラックで配送される。
当然、一店舗だけ離れているとそのためだけに配送コストがかかる。
ある地域にまとまっていることで運送のためのコストが抑えられる。
2つ目は「固まって目につくことで広告になる」
コンビニがここまで増えると、目的をもってコンビニへ行くというより、必要な時に道を歩いて目に入ったコンビニに入ることが多くなる。
また車などでよく通る道にあり、その店舗には入らずとも、その店舗を認識することでブランド(コンビニチェーン)の刷りこみが潜在的に行われる。
そして3つ目は、「他社が参入しずらい状況になる」
ライバルが多い地域には出店しずらいだろう。
これらに加えて、僕が強く思うことを2つ。
1つは「生活圏内の導線を制覇する」こと。
通勤、通学の途中以外にも家の近所なら通る道は四方八方にあるだろう。
その打率を考えて、自分の使う頻度が多いブランドの「ポイントカードを持つ人は高い」と思う。
セブンならNANAKO、ローソンならポンタカード、ファミマならTUTAYAカード、といった具合だ。
ルーチンワークで毎日のように通うコンビニだからこそ、ポイントカードの役割は多いと思う。
また、気にいった商品(特にスイ―ツなど)が存在する場合、
A店でなくとも近所に同じブランドのB店があれば、お客としても有り難く、お店としても補完・相乗効果が生まれる。
もう1点が、「フリーターのナレッジの継続性」だ。
コンビニで働きつづけるフリーター・パートも多い。
実際、僕の生活圏内のA店で働いていた女性が、ある日から同じブランドのB店で働きだした(今も働いている)。
A店で人間関係、待遇、等の不満があったり、ドミナント戦略でより通いやすい場所にB店が出来たりすれば、乗り換えも可能だと思う。
それだけ、コンビニ毎のオペレーションの違いも多く(もちろん、コンビニ共通のこともあるだろう)、スイッチングコストが存在すると思う。
一方で、雇う方にもいくつかメリットはあると思う。
他の店舗で働いた実績がある人だったら、その時の評価もシステム上共有できているブランドなら採用ミスも減り、教育コストも初めての人よりは多少減るだろうから、願ったりかなったりだろう。
このようにコンビニ業界では当たり前のドミナント戦略だか、同じようにラーメン屋が固まっている地域がある。
新潟県長岡市にある『青島食堂』だ。
新潟四大ラーメンの一つと言われる、生姜醤油ラーメンと言えば地元や県内では青島食堂、と口を揃えるぐらいの有名店。
●宮内駅前店(本店)
https://tabelog.com/niigata/A1502/A150201/15000040/
JR宮内駅の目の前にある。
●曲新町
https://tabelog.com/niigata/A1502/A150201/15000042/
長岡農業高校の近く。
●製麺部
https://retty.me/area/PRE15/ARE301/SUB30101/100000832484/
先日食べてきたときの写真。車も10台分ぐらいある。
●曙店
https://tabelog.com/niigata/A1502/A150201/15008192/
以前は「本部」という位置づけだったようだが・・・ 行った当時のことですが店員さんが個人的には苦手です。ごめん。
このように半径数キロの中に4店舗が集まっている。
どれぐらい近いかと言えば、比較的新しい「製麺部」と「曲新町」は道路を挟んで向かい合っているぐらい(笑)
こんな感じで、どのぐらい行列が出来ているか目視できる距離。
いくら人気のある青島食堂といえども、問題なのはこれだけ密集していてオーバーストアにならないのか?
※オーバーストア(和製英語:over store)とは、小売店などの商業施設が、ある商圏に対して需要より供給が過剰になるほど出店している状態(店舗過剰)のこと。
一通り全店舗行ったことがある、らっさんの分析はこうだ。
「本店」は昔ながらの味を忠実に引き継ぎ、駅前のために公共機関利用の人にアクセスが良い。
反面、後ろに待っている客が立つのでプレッシャーが強く、苦手な人もいるだろう。
また、「曲新町」は比較的ファミリー層も入りやすい。
その向かいの「製麺部」は一番新しく狙い目だったりする。
お客によりニーズが違うのか、とにかく不思議なことに、どの店舗も混んでるのである。
ラーメンだけでない話ではあるが、人は一般的に、行列を並ぶのは避けたい。
でも、あの生姜醤油ラーメンを食べるモードになった今、絶対に食べたい気持ちも芽生えると思う。
1店舗しかないお店なら、並ぶか、諦めるか、の2択を迫られる。
それが、青島食堂のドミナントエリアである宮内にいけば、どこかに入れるだろう、という考えができる。
青島食堂というある一定のブランド、味を担保してくれるのなら、待ち時間が少ないところがいいと思う人。多いと思う。
店舗間の移動時間が少ないなら時間ロスが少なく、運転手のストレスも抑えられる。
もちろん「製麺部」で作った自家製麺を運んだりすることで「配送コスト」を抑えられるメリットもあると思うが、だいたいはこのようなメリットが多いためにドミナント戦略が成り立っているのではないか。
ちなみに僕の好みは「製麺部」です。
<でも新潟でしか食べられないんでしょ?と思ったあなたへ>
ちなみに秋葉原にも分店があり、都内でも楽しめます。
●青島食堂 秋葉原店
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131001/13094776/
一度行きましたが行列ができ、待ちます。
都内は1店舗だけなのでドミナントの恩恵は受けられないのであしからず。